2020年5月22日金曜日

自然栽培のニンニクはラッキョウサイズ

真ん中が自然栽培のニンニク 


これは、私が通っている畑の

無農薬無施肥のニンニク

なのですが、ラッキョウサイズ…これは売り物にならない小さいサイズを選んできたので、特に小さいですが、大きくても、この倍までです。

このニンニクは、
・湿度の高い場所に植えてしまい、
・サビ病が出たのですが、
・この個体じたいは、サビ病の影響はそうでもなかったもの

です…

このサイズを見て、

「無施肥、というのは、自然さにこだわり過ぎなのではないだろうか?」

と不安になりました。

この畑は、自然農ではなく、自然栽培で、耕起が入っています。マルチは藁で、除草はひどい場合は行い、競合していないような草は抜いていません。
これは、耕起で土壌の微生物が上下返されてしまったためですかね?でも、ニンニクなので、相当な期間、土の中で、微生物は最初は耕起しても十分戻っているのではないか?とも思えるのですが…

そもそも畑の質や湿度など環境や土壌がニンニクに合っていなかっただけなのかなぁ?土は豊かなようで、ミミズが多いので、イノシシ君がお食事に来ているような畝です。

この出来の悪さは、スーパーに置かないならOKというようなレベルのモノではないなぁと思ったりしました。

となりのニンニクは普通サイズのニンニクです… このラッキョウサイズで我慢して、消費者に買ってね、というのも、なんだかなぁ。悪いですよね。普通のニンニクより高い付加価値を付けるのも、ためらわれますよねぇ。自家消費なら問題ないですが…

ーーーーーーー以下、農業者から頂いたコメントーーーーーーーーーー

無施肥栽培の場合、原産地の土壌条件を上手く再現できるか?どうかが、生育に大きく影響する気がします。ニンニクは地中海沿岸なので、乾いた粘土質が必要ですね。日本は世界的に見ても、雨が多い地域に当たるので、湿害が出やすいようです。
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うちの玉ねぎもらっきょうサイズでした 元気そうではありましたが 肥料食いなのかな・・・
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難しいですよね。命の大きさと、モノの大きさは、単純比較にならないところもあるので。私の友人は、市販のニンニクの半分程度のサイズの私が育てたニンニクを食べて、こんな生命力のあるニンニクは初めてだ!凄い!って喜んでました♪ 

またそれとは別に、作物が、その土壌が今育てるのに適っている作物かどうか、も大事だと思います。極端に小さかったり、という場合、そこで育つタイミングじゃないかも、という見方です。自然農では、優先順位を「そこでその時育つもの>作付け計画」として眺めてみる視点も必要なのかも、と自問自答しながら畑に向かっています。
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お気持ちわかります。家のもそうです。毎年来年こそは、と気負うのですが、やはり最後は同じですね。お隣の慣行栽培でマルチをした物と比べると悲しくなるようです。玉ねぎ、ニンニク、ラッキョウなどは自然農で丸々太らせるのは難しいです。品質と味は負けないはず、と自分にいい聞かせてます。せめて味の違いが分かる舌を持ってたらな。
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無農薬・無施肥で何年目の畑でしょうか?私は6年目になりますが、今年は写真程度の状態でした.大小さまざまといったところでしょうか.米ぬかすらほとんど入れず草を刈って敷くだけを繰り返してきました.土の状態はやっと微生物が増えてきたかな,という実感はありますので,これからも実験を続けたいと思います.

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私も自然農法でニンニク作りますけど、大小さまざまです。5年目の今年はサビ病になってしまいました特にちいさかったですけど。3年目から4年目あたりは収量ががくんとおちるみたいなこときいたことあります、去年一昨年は他の野菜もがくんとおちたものもあれば土になじんで大収穫できたものもありましたけど、土ができる移行期なのでいったん落ちて5年目6年目くらいからだんだんよくなっていくとか。それぞれの畑の条件が違うのでその通りの年数ではできないところもあるとおもいますが、それでも 小さくても味はやっぱりニンニクらしく、ともてしっかりと味があっておいしかったです。慣行栽培のものとは全く味は違ってたので、おいしいくてまた食べたいから、作り続けてて、ここ3年は毎回植えて作ってます。少量ですけど。今年こそはおおきいのできたらなとおもいながらつくるのですが形が悪くても小さくても味はとても良いです。隣の芝生は青く見えるでみんなおおきいのつくってますけど、大きさよりも味と体に良いものを作っているという自負だけです。 
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もし販売するとしたら、(生業にしてないですけど)むしろこだわりを
無農薬無肥料で作った味の良さに付加価値をつけてはんばいするかもしれません。小さいくても良い野菜を買いたいという人は絶対いますから。自信持ってもいいと思います。 野菜にもアウトレット商品みたくそういうモノがあっていいと思っています
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自然農4年目の今年、ニンニクやタマネギが、初めてそれなりの大きさになりました\(^o^)/

それでも、市販の大きさには程遠いです。

でも私には、市販の大きいニンニクやタマネギは、肥料膨れ、水膨れに見えます。

もともと日本で生えていないものや、栽培されていなかったものが、近年、海外から連れて来られて、無理矢理、日本で栽培されているわけですよね。野菜や作物全般に言えることですが…なのでタマネギ自体、あまり食べなくなりました。
とれるものを食べるのが、自然に近いような気がして(^_^)

タマネギは2年越しで大きくできるとの情報を目にします。
一部はそれを試してみようかなぁと考えています

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僕の販売形態は、個人への野菜セット宅配です。小さくても理解していただける方に、直接お届けします。出口をしっかり確保してから、適切な量を栽培します。店頭で、一見の消費者に、比較されながら買われるのは、とても忍びないと感じます。
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■私の回答

皆さん、ありがとうございます。畑でも、みんなで、きっと味は、ぴかいちに違いない!と言い合ったのですが。今日家で食べてみます。ただ、ホントにこのサイズで必要な土地の広さを思うと、ニンニクって貴重品ですね。
なんだか自然農にピン!ときた直観が、こんな作物がスタートだよ、とリアリティチェックの試練を受けているような気がしますが、皆さんのコメントのおかげで、道を見失わず、進んで行けそうです。自分の畑ではない会社の畑でこれを経験させていただいてありがたいです。

20年ほど自然食の宅配を取っていたので消費者の目線も知っているし、ラッキーなことにアルバイト先などで、販売先の目星もつきます。…ただ消費者として使っていたお金はとても大きく、その乖離が…やはり埋めるのは消費行為ではなく、自給自足する人が増え、本来の大地の恵みはこんなものだ、という消費者に対する農業教育…何を食べるべきか?という自覚、ということかなぁと思ったりしました。

私がレストランをするときは、こうした現実を伝えながら行うのがいいなと思った次第です。私はレストランはしないと思いますが。(消費という手段を使うのは嫌なので…)

であるとしても、消費者に何を伝えていくべきか?色々と啓示を受けました。ありがとうございました!

《まとめ》
原産地の土壌条件
・タイミング
・何年目の畑か
・採れるものを食べる
・玉ねぎ、らっきょう、ニンニクは自然栽培は特に難しい
・出口を確保してから栽培


■自然農のニンニクが市場に出回らない訳

にんにくは栽培期間が長い。畝間30で、4畝、10mくらいの面積なんだが、普通のニンニクのサイズで収穫できたとしても…収量vs土地を占有する期間で考えると、とても、低価格の商品とはいえない... ニンニクは、栽培期間が特に長く、10カ月くらい畑を占有するし、その間にほかの野菜を植えていたとすると?と機会ロスを考えると、余った土地に植えるしか…となる。土地価格で原価計算すると一体いくらになるんだろう?ラッキョウサイズでも1000円はくだらないのではないだろうか?の割には、お料理に使うと?消費が激しいものだし…。

もしかして、ニンニクというのは、ほんのちょっぴりご馳走として食べるのが正しい食品なのではないか? そんなことをアーユルヴェーダの食事法を勉強した時に思い、ニンニクを多食するのは控えるようになった…なんとなく、のイメージでしかないが、ニンニクを多食する人は煩悩を増しているようにすら感じられるからだ。最近は実はほとんど使っていなかったのがニンニクだった。同じことで、人参、玉ねぎもそうだ。

今回、畑の現実を前にして、ニンニクは本当に体が弱った時に少量を頂くのが正しいのだろうと思う…その土地で貰えるものをもらえるタイミングで食す、ということが正解につながる道だとすると、日本で採れるニンニクがラッキョウサイズなら、その程度しか日本の夏を乗り切るには必要ないですよ、ってことなのでは???

もうすぐ新月というのもありますが、体調がすぐれない。食べるものが端境期で乏しかったせいもあるが…。去年から引き続き、肉離れ、脱臼と、私の筋力の中で、もっともすぐれた部分の脚ですら、能力減退しているので、今年は回復、をテーマに頑張ります。

応援は、一かけのチビニンニクと畑から取れる野草…。

それから農業を教えてくれる、大変ありがたい方たちです。いつもWさん、ありがとうございます。このまとめは私からWさんへのお礼です。


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