2020年11月20日金曜日

無肥料で作物は育つか?

■2017年出版の本

この本は2017年の本ですが、特筆すべきは、岩波ジュニアであることです。つまり、最近の若い農業志願者は、こうした本を読んでくると思われます。

しかし、研究のスタート年代を見ると、1843年から…(驚)。小麦を研究される方は、イギリスは行ってみたいかもしれませんね。

微生物が生産する窒素については、最近分かってきたことではあると思いますが…とはいえ、2017年の本にまとめられているのでは、やはり、不勉強のそしりは免れますまい。

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・英ロザムステッド農場試験場では1843年以来、無肥料で小麦を連作中
・1980年に小麦の年間吸収窒素量は、24kg/haと計算され
・深さ23cmの作土に生存する微生物が生産する窒素の総量は、95kg/ha
・微生物が死ぬとほかの生きている微生物によって分解され、窒素が放出される
・100年も同じ作物を続けていると、その年間の窒素放出量は、ほぼ一定で、38kg/haになると推定された
『農学が世界を救う』 P75  2017年 岩波ジュニア
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これで、作物の吸肥力の大小で、無施肥・無肥料の自然農での作りやすさが変わってくるのも説明がつきますね。
https://amzn.to/2IQuSDe

■ 参考

ロザムステッドの滞在記
https://www.hiryokagaku.or.jp/data_files/view/308/mode:inline

可給態窒素の測定法
https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/narc_available_N_paddy_man.pdf

ちなみに地力とは、おおざっぱに言えば可給態窒素の量のことです。

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