自然農と自然栽培
どっちも農法をつけると
”自然農法”
に簡略化されてしまい、厳密に言葉を使い分けることに意味を感じない人にとっては、
どっちでもいいじゃん、環境にやさしい農法でしょ
と感じられてしまい、正直、消費者側にとっても環境に良い農法なら何でもいいんですが…
自然栽培と自然農は、全然違います。
自然栽培:投資型農法…自然の堆肥や肥料は投入して、土地を利用する
自然農:すでにあるものを巡らせる 土地に何かを持ち込むということがない
です。そのため、自然農を志して、うかつに放任栽培になってしまう人もいます… そうではなくて、光合成を巡らせる、ということで、土地に対する投入、施肥、にあたるのは、光合成、です。光合成の量は一定なので、時間がかかります。痩せた土地が、十分に肥える光合成量を貯めるのに、10年、20年とかかります。
人間界はせっかちで、そこまで待てないので、栽培家は、光合成の先取りとして、施肥、します。あるいは光合成の残渣、として、野菜や食品などの残渣を入れます。人糞も残渣ですので、いれると畑は良く肥え、作物の出来は良くなるそうです。
痩せた土地で自然農をスタートするのは非常に難しく、理を学ぶことがしづらいかもしれません。
そこで、モデルケースとして、自然農塾が作られています。すでに土が出来上がった菜園を、モデルケースとして貸し出してもらえます…そうすると自然農が難しい農法ではない、と言うことが分かるからです。
しかし、学びの場で、学んでいない現代人は、どうしても自分が投資した分を回収したいという思いが捨てきれません… 何かを入れて、その分を回収する、という思考回路は、一般に受け入れられています。しかし、投資が回収できるかどうか?は、ビジネスですら、毎回決まった原理ではなく、ばらつきがあるのは当然です。
投資ー回収原理に成功体験を持つ人ほど、手放すのが難しい…
しかし、現代は、経済が縮小している局面にありますので、投資した分が確実に回収できる可能性は、拡大局面よりもかなり小さくなるわけですので…このような縮小局面においては、
そもそも小さく投資する、
回収できる見込みが立つ分だけ投資する
という姿勢が必要になります。巨大投資、と言う発想が間違いを多く含むということです。
その場合、土地への投資量が、年間光合成量、という自然農は、大変理にかなっています。
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